令和7年度静岡県高等学校総合文化祭あいさつ
今年度も、静岡県高等学校総合文化祭が県内各地で開催されています。積み重ねた努力の成果を発揮し、自己の成長につなげる絶好の機会となります。
県高総文祭は、4月の百人一首部門の大会に始まり、来年2月までの約10か月にわたり様々な大会が開催されます。自分と向き合い、仲間と向き合い、活動に励む高校生の努力と熱意に敬意を表するとともに、日々生徒を指導されている先生方、支えてくださる御家族、地域の皆様方に感謝を申し上げます。
また、本日の総合開会式には、7月に香川県で開催された全国高等学校総合文化祭に出場した生徒が多数参加しております。全国の仲間と創造的な文化芸術活動を共有し、刺激を受けたことでしょう。本総合文化祭も、生徒相互の交流や親睦、技能の鑑賞を通して、静岡県の高校生がより大きく成長する機会になることを期待しています。
さて本県では、今年の3月に新たな教育大綱を策定し、「未来を切り拓く人材の育成と社会を生き抜く力を育む教育の実現」という基本理念を掲げました。この理念には、次世代を担う子どもたちが変化の激しい社会に適応し、自ら未来を創造できる能力とともに、社会で生きるための基盤となる「生き抜く力」を養うことが込められています。これからの時代は、単なる知識や技能だけではなく、多様な価値観や文化に触れながら、自分自身と他者との関わり方を深めることが求められます。そのため、静岡県は教育の根幹に「成長実感」と「夢の実現」を据え、その先にある理想像として「社会全体のウェルビーイング」の実現を目指しています。
このビジョン達成には、文化芸術活動が重要な役割を果たします。文化・芸術は、人間性や感性を豊かに育むだけでなく、自己表現や他者理解といったコミュニケーション能力も高めてくれるものです。特に高校時代に培った文化・芸術への技能や親しみ方は、その後の人生全体にわたり大きな財産となります。文化芸術活動によって得られる経験は、自信や創造性、協調性など、多様な資質・能力を育む土台となり、それが結果として個々人の幸福感や満足感につながると確信しています。
また県では、各分野の第一線で活躍されている文化活動の専門家を学校に派遣する「文化の匠」を実施するなど、高校生の皆さんが、興味を持って文化・芸術に接し、その可能性を開花させ、夢や希望を実現できるよう、支援して参ります。
結びに、県高総文祭に参加される皆さんが、ステージ発表、展示発表を通じて、県民の皆様と大きな感動を共有されることを期待しております。