WEB SOUBUN

公開期間:2023年10月~2024年8月

静岡県高等学校総合文化祭「総合開会式」は、専門部の活動を紹介し相互の交流を深めるとともに、全国高等学校総合文化祭に出場・出品した生徒の発表を行い、高校生の文化活動の一層の活性化を図ることを目的として、毎年開催されています。

令和5年度は、9月16日(土)から17日(日)まで、掛川市生涯学習センターを会場として開催しました。

県高総文祭「総合開会式」WEB SOUBUNでは、ステージ発表校の紹介や動画、展示作品の画像、作者コメント等をWEB上で公開します。

静岡県教育委員会教育長あいさつ

静岡県教育委員会教育長
池上 重弘

令和5年度静岡県高等学校総合文化祭「文・武・芸」 三道の鼎立ていりつに向けて

令和5年度となり、静岡県高等学校総合文化祭が県内各地で開催されています。高校生にとってはこれまで培った成果を発揮し、県内の仲間と切磋琢磨できる大きな機会となります。

本年度の全国高等学校総合文化祭は、鹿児島県が会場となり、7月29日から8月4日に行われました。本県の代表は18部門に参加し、各種の芸術文化活動を全国的な規模で発表するこの大会で、各都道府県代表の高校生たちと交流・親睦を図り、新たな芸術文化を創造するためのよい機会になったと思います。こうした成果は、高校生の皆さんが日頃から積み重ねた努力の結果であることはもちろんですが、顧問の先生方をはじめ、指導にあたっていただいた多くの方々の御尽力の賜物であり、深く感謝申し上げます。

さて、県教育委員会では、教育の基本理念として「有徳の人」の育成を進め、その実現を図るため、「「文・武・芸」 三道の鼎立(ていりつ)」を掲げております。文化や芸術も教育の重要な要素であり、さらに実学の一つとして位置付け、その能力を伸ばす教育にも力を入れています。文化系部活動に対しては、各分野の第一線で活躍されている専門家を学校に派遣し、直接御指導いただく、「文化の匠」派遣事業を実施しています。また、今年度は、日本、中国、韓国の3か国において、文化芸術の発展を目指す「東アジア文化都市」に静岡県が選定されており、一年を通じて多彩な取組が行われます。是非、高校生の皆さんも、他国の文化を身近に感じる機会にしていただければと思います。今後も高校生の皆さんが、伝統文化の継承者となり、新しい文化の創造者となることを願い、可能性が開花するための環境づくりに努めていきます。

結びにあたり、県高等学校総合文化祭に参加する皆さんが、展示やステージ発表を通じて、県民の皆様と大きな感動を共有されることを期待しております。

静岡県高等学校文化連盟会長あいさつ

静岡県高等学校文化連盟会長
杉山 忍

令和5年度静岡県高等学校総合文化祭の開催によせて

静岡県高等学校総合文化祭は、本県内の高等学校及び高等部を置く特別支援学校の芸術文化活動の振興と創作活動の活性化を図ることを目的に開催されております。

今年は4月23日の百人一首専門部による全国高総文祭出場選手選考会を皮切りに、来年1月末の定時制・通信制専門部の中部地区合同文化祭まで約10か月の期間に、22の専門部による大会が県内各地の会場で行われます。大会は、生徒たちの日頃の活動の成果を発表する場となりますが、そこで披露される作品一つひとつからは、それを作り上げた生徒たちの思いや、制作の過程の中で揺れ動いた心の葛藤などを垣間見ることができます。そのような思いで鑑賞していただくことで、作品や演奏、演技を通じて、生徒たちの思いとつながることができると思います。

かつて千利休は、「侘び茶」を表現するコンセプトとして、『見渡せば 花も紅葉も なかりけり 浦のとまやの 秋の夕ぐれ』(藤原定家)と『花をのみ 待つらむ人に 山里の 雪間の草の 春を見せばや』(藤原家隆)の2つの和歌をあげています。荒れ果てた建物だけがたつ浜の静けさを前にして、心に残る「花」や「紅葉」の華やかさを余韻で楽しむ、雪に埋もれた山里の何もない風景を描きながら、そこに春に向けての命の芽吹きや胎動を感じさせる、どちらも想像力を働かせながら、心の中にイメージを刻み込むことの大切さを表しています。文化を愛でる醍醐味は、そこにあると思います。文化部の生徒たちは、日々の活動の中で試行錯誤を繰り返し、自己と向き合い、仲間とともに人間性を高め合うことで作品を作り上げています。静岡県高等学校総合文化祭は、今回出場・出品がかなわなかった生徒を含め、本県文化部生徒全ての、地道ながらも熱意溢れる日々の取組が凝縮された場であると感じています。県民の皆様には、生徒が様々に表現した作品や発表の鑑賞を通じ、本県高校生やその文化的活動に対し、理解を深めていただく機会となることを願っております。

結びに、日頃生徒の成長のために御尽力いただいている顧問の皆様を始め、生徒を励まし暖かく支えていただいている保護者の皆様、生徒の技能向上に向け全力を尽くしてくださる外部指導者の方々に深く感謝申し上げ、挨拶とさせていただきます。